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《12》相続人としての地位不存在確認の訴えの裁判の形式

平成160706日判決(判例時報188366) 重要度 ○

参照条文:民法891   898 条 民訴法40

 

―判例の要旨―

共同相続人中の特定の相続人につき、相続人ではないことの確認を求める訴え(相続人としての地位不存在確認の訴え)は、共同相続人全員が当事者として裁判に関与し、その間で合一にのみ確定することを要する訴訟(「固有必要的共同訴訟」といわれています)である。

 

― 解 説 ―


 

このような家族関係として説明します。

2 民法は、推定相続人であっても、891 条に該当する者(例:Xの遺言書を破棄又は隠匿した者)は「相続人となることはできない」と規定しています。

3 本件は、Aが、EがXの遺言書を破棄又は隠匿したとして、「Eは、Xの相続人ではない」ことの確認を求めた事案ですが、Aは、A1人でE1人を相手として裁判を起こしました。

4 しかしこの問題は、Xの相続財産を、誰と誰が共有しているかという共有者の範囲を確定する裁判ですので、相続人A〜E5人につき同じ結論が出ていないと、非常にまずいこととなります(例えば上記の例で、Aが勝訴すれば、Eは、Aとの関係ではXの相続人ではなくなりますが、裁判に関与しなかったB、C、Dとの関係では依然としてXの相続人であり、遺産の分割の仕様がありません)。

5 そのため最高裁は、上記の確認の訴えを、共同相続人全員が当事者として裁判に関与しなければならない固有必要的共同訴訟と判断したものです。

 

共同相続人全員が当事者として裁判に関与する方法⇒《11》を参照下さい。

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